第一夜から、第五夜までは、著名な作品を発想のベースに借りて、大胆に自由に、現実世界の生きにくさや苦みを微量混ぜて、哀感をも誘い出すストーリー。元の作品とは内容は異なるが、各作品を関心の濃淡あれど同時代に過ごして楽しんだ私には、松田先生のフィ
ルターを通したものへの郷愁も共感もふつふつ。
そして、「最終夜」である「少女漫画家たち」には、キャラ達に、少女漫画に対する種々の想いを言わせて、第五夜まで滲ませてる松田先生の積年の少女漫画愛を改めて確信させられてしまう。作り上げることの舞台裏が見えてくる。先生の有名作品「重版出来」未読の身だが、その先生なので、という連想も。
少女漫画の目の中の光の白い粒が私も大好きなので、あとがきの強いメッセージに感動した。
そして、休刊となった漫画雑誌を巡っての想い、惜しむ気持ちが、もの凄く伝わってきた。読んでみたかった、と、思った。
どれもピリッとして、それでいて見つけてくる題材がバラエティ豊かで、楽しかった。
本書の存在を、レビューをあげているパインさまなくして知ることは出来なかった。
そして、いろいろ教えて下さって、本当にありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げます。
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