初読み作家さん、新刊案内で見た時から気になってしまい購入です。咲かない花‥元々花をつける植物なのか、それともつけない植物なのか。花をつけない植物でも、枯れてしまった植物でも水を与え続けたら再び息を吹き返すものもある。そう考えると浅水くんの、
芽が出て育ちだした「初恋」という名の感情に水を与え続け、茎が延び葉が育って「愛」という花を咲かせるためにずっと水を与え続けるのは間違っていないと思います。例え花が咲かなくても育て続けた期間は「愛」を育んだ時間なので、後悔してほしくない。そう思いながら読みました。桜庭くんも同じように水を与えていたのでしょうが周囲の雑多な感情に邪魔をされてしまい、真っ直ぐに生き生きとは育たず、少し曲がってしまったのかな。せっかく大振りの枝が芽吹きそうだったのに。二人が再会していなければ曲がったままで水を与えることさえ忘れられえしまっただろう桜庭くんの心に、浅水くんの花が咲かせられてよかったです。もちろん浅水くんの花も。
安定した作画で見やすく違和感もなく読めました。二人の感情や背景がすっと入ってこなくて、私の地面(読み解く能力)が乾いてしまい大量の水(情報)が必要なのか、はたまた描かれていない部分が多いのか悩みました。ページ数が共に150ページほどなので各巻あと1話ずつあってもよいのでは?と薄さを感じ、そこで描くのではダメだったのか、そう思う部分もありますが全体としてはよかったです。
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