絶世の美女だったり、地味な外見を努力で変えて美しくなったり…ハーレクインのヒロインはだいたいがそんな感じですが、本作品のヒロイン・ライラは、そのハーレクインの王道設定から少し外れています。
セクシーな声に見合わない大柄な体型の彼女は、
そのギャップの為、周囲から侮蔑やからかい、悪意を投げつけられ、傷付きながらも懸命にキャリアを積む、私から見ればかなり魅力的な女性。しかし周囲(とりわけ男性)は、その魅力に、後に出会うイーサン以外は気付きません。
慈善事業のオークションがきっかけで出会う二人は、ゆっくりと、しかし着実に愛を育んでいきますが、問題が山積して、なかなか歩み寄れません。何より問題なのが、彼等をとりまく周囲の人間です。
二人に理解を示してくれるのは少数で、ほとんどの人間は、やはりライラに悪意を抱いて接します。作中のイーサンの妹のセリフにもある通り、世間の『普通の人間』というのは、何故、外見や内面、言動が『標準外の人間』に対して、これほど悪意をあからさまにしてくるのか…その無駄で馬鹿げた行為をする人間の意図が、私には理解出来ません。
お互いを想い合うう優しさゆえに、一度は離れてしまう二人ですが、その優しさゆえに、やはり二人は結ばれます。ハッピーエンドで良かった
何年も前に購入した作品ですが、ハーレクインでも屈指の良作だと思います。
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