ジェイクの一途さを読める物語だと思って購入したのですが、厄介な物語でした。厄介さは物語ではなくて、メグとジェイクそれぞれの想いとセリフが何について話しているか論点が違う事です。基本は、お互いの結婚生活をもう一度復活させたいことなのに、ジェイ
クは家を出ていったメグの理由に拘り、メグは結婚の理由に拘っています。要は、ジェイクは好きで結婚したのに妻は出ていったと苦しみ、メグは父の遺言で仕方なく結婚したから、他の女性と関係しているのだと苦しんでいたということ。2人は、幼い頃からの知り合いでそこに恋心はお互いに無く、ジェイクがメグの父親の最後の言葉「メグを陰ながら支えてほしい」を聞き、ただのお隣の女の子をどうしたら良いかその重責に悩みました。ところが直後に会った21歳になったメグに恋し結婚したことからジェイクの葛藤が始まっていました。「陰ながらー」という部分に。しかし、結婚したことに後ろ暗さを感じるジェイクのそれを表す部分などは全く無く、只々家出した理由を聞くためだけに画策する様は、メグとやり直したいという心の吐露とは逆に終わらせようとしているように感じます。ダニーを呼び寄せているところもそれに準じます。だから、メグが混乱するのは当たり前で、右往左往しているやり取りに読み手さえも混乱してきます。また、ジェイクとダニーの書き分けもシッカリ出来ておらず、同席しているのにスーツすら似た柄ものを着せていて混乱しました。若すぎた2人のすれ違いが主軸のようですが、論点のすれ違いのセリフの面白さなどは皆無で筋道の点と線が繋がらなくて非常に読みづらいものとなっている気がします。
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