冬森さんらしいといえばらしい作品ですが、私は好きになれませんでした。1巻完結なので、これといった盛り上がりもなくゆるやかに終わった印象です。
男の子目線の物語で、実の姉を好きになり最後には結ばれるお話です。近親相カンモノということにな
るので、すでにその時点でどうかと思いましたが、ただの近親相カンというよりはもうそうするしかなかったというか……とても切なさの残る冬森さんらしいストーリーだとは思いました。
悪くはなかったのですが、感情移入が全くできず今一つ楽しめなかったです。とくにお姉さん。
求められることが嬉しくて、寂しさを埋められるからといって本当に誰とでも寝る女というのは理解しがたかった。気づけばAVにまで出ているし、騙されて複数の男にヤられちゃうし…。そのくせいつもあっけらかんと笑っているので、哀れみよりもバカなのかなぁと呆れた目線で読んでしまいました。
彼女なりにつらい気持ちを誤魔化す為にそんな風に笑って生きているのかもしれませんが、私には理解できなかったです。
そんな彼女のことを唯一理解している弟くん(主人公)が、姉に幸せになってほしいのに、誰も幸せにしてくれない…それならもう、俺が幸せにする。そう決心して、最後は涙の近親相カンエンドなのです。
不幸な境遇にあった、誰よりも近い二人だからこそ、唯一の理解者として結ばれるのがベストだったといえるような展開です。
このお姉さんを理解してあげられる、良い部分を誰よりも知っていて支えあえる相手はこの人しかいなかった。たとえ血が繋がっていても。
私は理解できなかったけれど、読む価値がないと言いたいわけではありません。気になった方には是非読んでみてほしいです。
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