絵柄的に少年誌のケンカつえー格闘マンガかなと思って読み始めたら青年誌のマトモな総合格闘技モノでした。
バレー部では圧倒的な無双状態で燻っていた主人公が、ふとしたキッカケから格闘技にふれ、自身のルーツである空手と強烈なフィジカルをもってして
も勝てない相手を超えるため、少しづつ総合格闘技への道に進んでいく物語です。
まず、面白いのが主人公の性格がかなりダークです。誰が相手でも圧倒する自負があるからバレー部では満足できずフラストレーションを溜めていたところ、自ら視界に飛びこんできた獲物に逆に圧倒される展開から、恨みでも復讐でもなく純粋に自分の全力を開放して叩きのめす満足感を得るため、暗い情熱を糧にしながらも、より深く格闘技に傾倒していく流れは非常に熱いです。
格闘技マンガに多いトンデモ技や不可能動作はないのですが、キチンと技術体系を整理したアクションを見せる分、動きの連続性や瞬間の攻防という機微が失われて残念な部分もあるのですが、それでも「オールラウンダー廻」と同様にキチンとした技術考証による格闘描写はリアリティがあってなかなか楽しめます。
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