1996年「ヘルタースケルター」後に3回連載予定の1回目で結果的には未完。
その作品が巻頭の【森】30頁ほど。
以下この30頁について書いてみました。
先生の作品は女の子が堕ちていく様、と同時に しなやかさ、したたかさ、そして脆さ
など… 生と死とかを生々しいのにグロテスクではなく、俯瞰で見せてくれているようでどこか感覚がリンクする。
【森】は未完と知りつつ、読んでしまったら自分の中の何かが終わりそうで読まずにいた。
でも表紙と試読で見られる絵の描き込み。鬱蒼と葉が繁るのを目にした時、自分には意外に思え読むに至りました。
30頁ほどだけど、先に書いたような"女の子が堕ちる様"うんぬんだけではなく、今作はそこからまた一歩踏み込み次のフェーズへ。という印象を受けた。
人は"忘れたいこと"があり、 時を経て忘れることが可能であろうと思っても迷い、でもそれでも人生は続いていく。というような。
……読後、自分の中で何かが終わることはなかった。終わらせないようにと改めて思った。
だからより強く思う。
言ってもいいものか迷ったが
先生が今も執筆活動されていたら、先生の眼には今の世の中がどう映り、どんな作品が生まれるのだろうと。
やっぱりつよい作家さんだと。
まぁ、要するに最後と書きたくないのです。自分は、ですが。
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●表題作【森】→→フィールヤング1996年収録(30pほど)
後、イラストあり
●単行本未収録作→→1985年〜1995年の掌編、短編を年代順に9作(156pまで)
●ギャラリー→→イラスト1994年〜1996年。カラー多数(14p)
ーー〔全175p〕ーー
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