十五年も前の作品だとは思えないぐらい、全ての登場人物が瑞々しい。発表当時はおそらく最先端の彼らの衣装が今でも古さを感じさせないのは何故だろう?
広いはずの都会で彼らは何度も偶然よりも必然のように出逢う。
恋とか愛とが無くては生きていけな
い人のように、性愛が無くては生きていけない人のように生きている。私たちは最早そういう生き方ができる時代に生きていないので、彼らが羨ましい。自由奔放に生きることを夢見てはいても決してそれを叶えてはいけないことを知っている。
大島紬の言葉で「俺を抱くなら体じゃなくて気持ちを抱けよ」とある。また、彼の言葉で「好きだと言って。愛していると言って。誰も言ってくれない。」ともある。此の言葉に私たちは共感を覚える。
美しい男たちの名は、椿、紬、四海、茨、董悟、和臣。そして、義兄もおそらくは美形に違いない。
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