まあ、言うなればハドソンは弁護士であるから理論的思考の持ち主であるわけですから、理由の分からない事象には納得いくまで探求する男性であるわけです。プロポーズを了承してくれたはずの女性アニーが忽然と姿を消した。さあ探索開始。モロッコで捕獲、追求
開始という物語です。アニーはハドソンの為に姿を消した。その理由を、じれったいのを通り越してイラつくほどに先延ばしにしていく展開に購入ボタンをポチッと押していた。何より、ハドソンがアニーを愛し続けている様が読んでいて心地よくて「謎」を知りたくなったのだけど。義父の犯罪のせいでハドソンに降りかかるものを排除したいがために逃げたのだけど、ここまで引き延ばしたのだからその内容を具体的に書いてほしかった。何かしらの金銭搾取の陰謀があったとはわかるけど何をしたのだろう?と疑問は解消されない。また、モロッコを舞台にしているのに街並みの背景は乏しく、カメラマンを目指しているはずのアニーのファインダーに捉えている景色さえ見せてもらえないのは欠落と言える。ハドソンを直視できないアニーの顔だけはそこら中に描かれているのにファインダーにくらいハドソンを捉えてほしかった。キースという寛大な男性の脇役が功を奏しハピエンとなるのだが、重要点は、犯罪者が義理とはいえ家族であることの絶望と恐怖からの脱却と解決。頑ななアニーを溶解するハドソンとの観光という時間なのに、意味がなかったように読めてしまうのが残念なところである。が、ハドソンの愛の強さに完敗(乾杯)です。
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