バックホーン4兄弟の長男ソーヤー編。
JET先生が次男のモーガン保安官、三男獣医師ジョーダンを、おおにし先生がプレイボーイの四男ゲイブを担当。ソーヤーが守りたくなる「 無防備」な女性は、日高先生が魅力的に描かれた。ただ、ところどころラフに
なっているようには見えた。さすがにここぞという顔のアップは丁寧とはいえ。
また、人物だけのコマで構成された頁が幾つか目立っていると思う。兄弟数多いから無理もないとも思えるが、それでももっと背景が欲しかった感じは残る。景色や家の外の頁もあるのだが分断感。
男性ばかりの家に泊まることになる、しかも彼らは日頃女性を意識していない暮らしなものだから、無駄に広い家に、シャワー等個々で自由に暮らしていたこと、いつも裸で寝ていること、などなどセクシーなシチュエーションを置いて、コミック故にビジュアル面で読者に働きかける。ストーリーはそんななかで信頼に足る人柄の四兄弟を理解させ、長男の好意が、わきまえつつも弟たちはもとよりヒロインにも隠せない感情であり、二人の関係を発展的に進行する期待をずっと匂わせる。36頁は善良に見えにくいコマではあるが。
話は関係発展にウェイトがかかり、ヒロインが怯える影のサスペンスでストーリーを引き締めるも、ヒロインは守られている安心感がある。そこに安住させない、彼の身をかばう展開が私には無理な感じはしたのだが。気持ちは大いに分かる。そういう場面お話にはよくある。
でも実際間に入れなくないか?
日高先生の描かれた弟たちでシリーズの他の3作品を見るのも、確かに面白かったかもしれない。
ただ、私は間隔を空けて読んだ為か、もう既に、JET先生の、おおにし先生の、でそれぞれそういうキャラで受け止めて抵抗感を持つひまなかった。
婚約者が姿を見せず、実行犯のみ、そしてハッキリ顔なども対決シーンすら描かれないことは、この物語のメインはそこじゃない、という意味で取捨選択の結果で焦点がハッキリ。姿を見せない、中盤までヒロインに向かってくる敵の不気味さが、折角効いていたのに、少し拍子抜けはした。
最後のやり取り、俺を愛してるか?に対する ヒロインの受け答え、「華奢で」だからこそ守らねば、の彼女像を裏切り、長男を操縦するかのようで(足を踏む匂わせシーンも有)、強さがある。
男所帯の中の花一輪、ふさわしいのかもしれないと思わせた。冷房をーー、には笑った。
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