購入には、評判を確かめ、試し読みして、慎重に決めています。悲しい話があるのは勇気が要ったけれど、絵柄もオッケーだし、流れに違和感なく、踏み切りました。人が愛で結ばれているいいお話です。悔いなく人を愛しきって、愛する方も、愛される方も、素晴ら
しいときを過ごしたことを、読者として、そこに生きた人たちの精一杯を見届けさせてもらいました。
子どもが、自分の本能的な判断力で、未来のママを探し出す話はHQにはよくありますが、実際身の回りで男ヤモメさんが、子どもが気に入った人に決めて逆玉となった真逆ストーリーを耳にしたことがあるだけに、この種の話のリアリティに異存はありません。ただ、ヒロインは普通の休暇の中断、彼がヒロインを追いかけてきて結婚に至る流れには、そしてそのまま、この先もずっと彼女が結婚によってそこの職場を離脱することになる流れが、何となく、しっくりしない部分は残りました。休暇で遠出しても、仕事のことが頭から離れないほど仕事にうちこんでいた彼女です。それがそのまま、相手に対する責任感や、仕事を全うしたい誠実な仕事ぶりを表すヒロインの好ましい人柄そのものを象徴しているエピソードだったとしても、突然の仕事の中断。
そのまま遂に復帰することがなさそうだけど、ヒロイン有能なんでしょ?、婦長でしょ?、と何だか惜しい気持ちにさせられました。
でも、子どもの幸福にとことん付き添うヒロインの姿は、どれ程魅力的に彼の目に映るかは自明、そして、既に彼の意識下には学生時代の強い存在感があった彼女が、善き家庭人というのは重要なので、休暇中の追っかけ押し掛け求婚は、古いエピソードが伏線となって強引さが薄まるけれど。
彼は悲しい思い出を最初こそ独りで受け止めましたが、もうこれからは独りで抱え込んで過ごさないし、ヒロインも悲しみを彼との日々で癒しあっていけるしで、心の長い休暇を二人で過ごせます。
オランダ人という彼リトリックも、絵が実在しそうなオランダ人のルックスに見えて良かったです。
みんなが信じていたらしい独身ではないとの彼の噂は、彼のことが気になる女性なら当然にチェック必須の項目のはずで、当人がガールフレンドはそれなりにいたがいい人はいなかったというのと、現実感として全く合いませんが、そこは名声もルックスもモテ度合いもHQ標準装備なのだから揃えて描写されたものと捉えることにいたしましょう。
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