タイトルが浅いれど、よく構成されて、ほどよく恋とビジネス、公と私との危うい境界が表現されて、苦悩と高揚の狭間の揺れ動きが良かった。
ビジネスシーンの其々がリアルな現場感を持っており、お飾りの描写でないのがまた一段と面白くしている。
二人のラブも、ドキドキが伝わるようで、この先どうなるかわからないけれど、今の気持ちに正直にいようとする所が充分感じ取れた。
姉妹の存在が終盤俄に近くなったが、そこだけ、何だか少しストーリーに、キラキラが抜けたような気がした。ヒロインの行動の動機自体と深く関わるので、キーエレメンツであるにも関わらず、どこかファッション業界臭が落ちて、犯人特定のためとヒロインのフォローで頁をめくっただけ、となってしまった。
図らずも、侵入隠密調査先で社長に恋してしまうヒロイン、一方、抑えても隠しても秘書へ好意を募らせていく彼、最後まで飽きさせず巧みにストーリーが進んだ。盗作騒動の顛末まで楽しく付き合わせてもらった。
ちなみにメイン二人の容姿は好みでない。
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