子どもの頃に肌で感じた記憶が残るうちに、大人の理解力が身に付きつつある頃に読んでほしい作品です。私がこの作品を読んだのは20代の前半で、その時に受けた衝撃は今も残っています。ですが、経験を重ねるにつれ、この作品から受ける印象は変わってきます
。今は親の目線で読んでいます。誰しもが経験しているけれど、成長の過程で忘れてしまった子どもの頃の不安や高揚感が見事に描かれており、松本大洋さんが唯一無二の存在であることを実感させられます。松本大洋さんの作品は、テーマ、ストーリー、画風が作者本人の成熟と共に変化して行くところが魅力の1つ。どの時期の作品が自分に合うか、いくつか試してみてほしいです。
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