王族の恋愛。冒頭の試し読みで誤解していた。宇宙物ではなく、変身や魔術の類。
名香先生の他作品でも見かける自由さが溢れている。例えば、主人公パンドラ、好きになった人に振り向いてもらえるまで、主体的に頑張る。少女漫画には、相手に好いてもらう為
の行動をまるで浅ましいとでも捉えてるかの(相手のほうから見初めてもらえるといった「待ち」の姿勢)恋愛観がなんとも多い中、相手につれなくされてもとにかく積極的。そこは着目できる。チクッとするけど大丈夫な程度に留まっている。
また、あるキャラは奔放、または、義理堅いのも。途中で相手は変わる。他にも、惚れっぽかったり、意思を通すために強引だったり、なかなか最近ではお見かけしないキャラがいろいろ造形されている。衣装がやっぱり名香先生らしい舞台衣装らしさ満開。
ストーリー、始まったばかりは学園物と思いきや、生き別れの兄に、幻の宝飾品にと、のちの展開が冒険色に染まる。行き当たりばったりな移動が多く行く先々で出くわす諸々が。
誰かさんが誰かさんと、の決着は冒頭からは想像できないだろう。
それくらい、小さくはまとまってないと言える。
とある種族のビジュアルが美形でない設定なのは、名香先生作品なのに、という思いはあるが、仙人的に内なるパワーを宿す存在としては譲れなかったか。
こうした最終回の終わらせ方が物語の語りの技巧を感じさせて良い。私は、こういうのが好き。
恋愛要素大好きな人間としてはロマンチック場面を見たい性格なのだが、結婚式だとか二人のその後だとかを定食のように付けてこられると個性が無くなりすぎてつまらなく感じるため、わたし的にはこれでいい。
買ってから2カ月位手を付けなかったが、全3巻気軽に読めた。
1987年12月号「小学三年生」誌に掲載されたという「恐怖のドレス」(11頁)が収録されている。
2001年〜2003年作品。
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