1900年前に壊滅した都市ポンペイでの記憶を持つ男子高校生が、自分の周りにいる前世で関わりがあった人たちとの現世での日常を描いたお話。
自分だけ前世の記憶を持つ敬大。現世でその記憶に振り回されながらも、最愛の人や親友、家族たちとの日々を過
ごすという突拍子も無いストーリーがコメディタッチで描かれています。敬大の記憶は前世のものとは思えないくらい明確で、そのせいか敬大はいつもシリクスであろうとするのが最初は面白いですが、途中からは混乱し切なくなってきます。前世の過ちを後悔するが故、敬大としての気持ちを蔑ろにしていたけど、全てを乗り越えて敬大の幸せを掴み取った結末はとても素敵だったと思います。
ただ、現世での人間性と前世での人間性が出てくるので、登場人物の数以上に人間関係が複雑です。また、その関係性も家族だったり友達だったり主従だったり恋人だったりと入り組んでいるので、ちょっと頭がごちゃごちゃになってしまいました。もう少し、人数を絞っても良かったかなと思います。
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