最近は、マンガだからと安直に過激な"痛み"描写・視覚的に観者を煽動する暴力シーンなどを取り入れ、物語のアクセントにした作品も溢れていますが、この作品の第15話は、そういったものとは対極の、非常に日常的な事象で、過激描写等は一切入れずに、でも登場人物のえも言えぬ締め付けられる様な気持ち、取り返しのつかない事・失敗をしてしまった瞬間の、誰もが1度は味わったことのある真っ暗になる感覚を描いています。自分の失敗・軽率などで起こった事態を前に、一瞬思考が固まり、我が遠のくような感覚が、この物語では"大切な枕"の事象によって人物の表情と併せて非常に丁寧に描かれており、マンガならではの良さを味わえる回です。