作者の家が狭くて羨ましい。レビューですが、あまりに身につまされるので、自分のことを話させてください。我が実家は鉄筋コンクリート4階建ての16LDK。他に別荘を4軒所有しており、そのどれもが汚屋敷です。母は毎日デパートに行ってはお菓子だ服だバ
ッグだ宝飾品だ食器だ寝具だ調理器具だ、と買い漁っていました。そして食べず使わずにその辺に置く。または数回使って、タンスの奥やひしゃげたダンボールの中にポイ。その上からまたダンボール…。景品も大好きで、使いもしない景品を大量にもらう。生前の父も外国の家具や絵画や美術品が大好きで、買ってはそのまま(これがまた重い)。ただガチャガチャと重ね置きして埃を被り、いつの間にかカビやシミや割れが発生し、本来の価値はなくなっています。15年前まではお手伝いさんが数名いたのでマシでしたが、物を捨てると母が激怒して包丁で脅すので、みんな辞めてしまいました。4台ある巨大なアメリカ製冷蔵庫には、何年も前の食べ物や調味料がベッタリ。その前には何が入ってるかわからない重いダンボールがあって、開かない。両親ともに、捨てない、片付けない、掃除しない、お金があるから死ぬほど買う。片付けを始めてみたら、40袋以上のゴミと大量の粗大ゴミが1部屋から出てきました。これが16部屋あるのですよ。一昨年までは母が元気で怖くて出来ませんでしたが、足腰も頭も弱ってきたので、ようやく玄関(これがまた18畳もあり、物の隙間でコウモリが死んでました)から始めることができました。あまりの惨状に恥ずかしくてケアマネさんも呼べないので、何とかしたくて。ネズミのフンやゴキブリにもだいぶ慣れましたが、まだあと11部屋残っています。ダンボールの底の新聞紙の間から株券が出てきたり、ベタベタの革のバッグの底からダイヤや昔の紙幣がくっついてあったり、という状況なので1つ1つ丁寧に見ないといけないため、時間がかかって目眩がします。いくら高級品でも古くて汚ければゴミにしかならず、本当に勿体ないです。海外に住んでる姉に愚痴を言えば、日本に住まなければいいのに貴女はバカね、と言われ、キツくて仕方がない時にこの本に出会いました。実家で悩んでいる方は、自分よりマシと思ったり自分より酷いと思ったり様々でしょうが、片付けの間、モチベーションを保つ支えの一つになってくれると思うので一読をお勧めします。
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