第二次世界大戦後の華族令の廃止により、元華族の一家が没落していく姿を描いた太宰治の傑作です。本書は『斜陽』(新潮社、一九四七年一二月一五日発行、日本近代文学館、一九九二年六月一九日復刊)を底本に、巻頭に「ミニ解説」(北條一浩)を付け、八雲書店発行「太宰治全集第一四巻」の豊島与志雄による解説も収録しています。2010年の常用漢字改定に照らし合わせ現代仮名遣いへ改めるとともに、常用外漢字にはルビを振り、読みやすくするなど、独自の校訂を行った縦書版電子書籍です。
目次:
斜陽
解説 豊島与志雄
著者・解説者紹介
著者について:
1909年、青森県北津軽郡金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東京帝国大学仏文科中退。1935年「逆行」が第一回芥川賞候補になる。1936年第一創作集『晩年』刊行。以後、「女生徒」「斜陽」「人間失格」等著作多数。1948年6月、山崎富栄と玉川上水に入水自殺。