偉大な足跡を残した先人は、「前向きであること」の重要性を説く言葉を遺している。ウィンストン・チャーチルは「成功とは失敗を重ねても熱意を失わない能力のことだ」という信念のもと、英国を第二次世界大戦での勝利に導いた。トーマス・エジソンは電球の試作の失敗が1万個に達したとき、「失敗したのではない。うまくいかない方法を1万通り見つけただけだ」と言って、ついにはフィラメントを発明する。人生の成否を分けるのは「前向きであることのできる」性格によるものなのか? だとすると、それは脳のどんな働きによるものなのか? 欧州最大の脳科学研究所を主宰し、その問いを解きあかそうとしているエレーヌ・フォックス博士が、驚くべき実験と調査の数々を明らかにする!
フォックス博士の研究所は、前向きな感情を起こさせる物質、セロトニンを脳内で生み出す特定の遺伝子を発見。性格は遺伝子によって決まるのか、というところにまでメスをいれる。果たしてその結果は――? 科学の推理を楽しみながら、子育てや自分の人生にまで思いをはせることもできる、とびきり面白いポピュラーサイエンス。