私にはまだ“その時”が来ていないだけ。
息をひそめるように過ごす“優等生”遥名と、周囲を困らせてばかりの“落ちこぼれ”ハル。生きることに不器用なふたりがやがて成長し……。
「しるし」を見つけたふたりの希望の物語。
「勉強ができて何が悪い。生まれつき頭がよくて何が悪い」
そう思いながらも、目立たぬよう眼鏡をかけ、つくり笑いで中学生活をやり過ごそうとする遥名。高校に行けば、東京の大学に入れば、社会に出れば、きっと--。
「まだ、まだだ」と居心地悪く日々を過ごす遥名は、“あの日”ひとりの青年と出会い……。
ほんとうに大事なものって、自分で見つけるしかないの。
自分にしか見つけられないのよ。