今日、日本と中国の双方とも、本当は仲良くしたいと思っているのに、互いに不信感を抱いている状況はあまりに不幸だ。とはいえ、歴史的に日中が歩いてきた長い歩みの中には、水と油と思われるほどの異質性の根源が見えている。
なぜ、中国では模造品や海賊版が氾濫するのか。地獄の沙汰も金次第という、中国の金銭倫理の根はどこにあるのか。日本がかつてもっていた、中国に対する崇拝の念はいつ崩れたのか。そのとき、日本は中国の何をダメだと断じたのか。反対に、戦後、中国は日本の文化や思想までも模倣しながら、その一方で、いったい日本の何をダメだと断じ、憎んでいるのか。
二千年の日中関係史から今を見る。
<目次>
第1章 日本と中国にとっての西洋文明
第2章 東洋思想とキリスト教
第3章 稲作地帯だけに普及した仏教
第4章 東洋医学は科学的か
第5章 満州国建国は中国への侵略か
第6章 愚かだった日中戦争
第7章 したたかな中国、お人好しの日本
第8章 個人としての中国人と日本人
第9章 もの静かな華僑