スーパーの惣菜売り場で働く男が、よく見かけるサラリーマンがいつも自分の作った惣菜ばかり買っていることに気付き、声をかけたことで仲が深まるお話。
スーパーの惣菜売り場から始まる恋。やっぱり食の好みが合うというのは人としてとても大事だなと思わ
せてくれます。晃太郎が作ったものを高野が美味しそうに食べ、素直にありがとうとお礼を言い、晃太郎は自分の作ったものを気に入ってくれて嬉しそうに食べる高野を見るのが好きという、両者の気持ちが上手い具合に交錯して仲が深まっていく姿が自然体で良かったです。
男との交際に戸惑っているのに晃太郎を受け入れた高野が多少狡くも見えましたが、年下の彼を慮った故のことなのかなと思ったり、弁当屋をやることを提案したりと、年上らしさも垣間見えました。精神的に落ち着いた晃太郎と、食べたいものを素直に言う高野の幼さはバランスがいいと思います。そして、お母さんやパートのおばちゃんの何気ない一言がとてもいいアドバイスになっていたのが素敵な描写だと思いました。
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