壮大な平安朝オカルトスペクタクルファンタジー。すでに廃刊になってしまった作品のスピンオフらしく、基になったそれを読めばもっと理解が深まるのかもしれません。ことに時間軸の行ったり来たりがちょっとわかりにくいかな。でも迫力あり繊細さもある大好き
な世界観。繰り返し読みたくなります。
2巻どころか5巻くらいの長編にしてもよい重厚さを備えていると思います。巻末の奥付を見るとこの2巻分だけで8年もかけて描かれていて作者の強い思い入れを感じます。
おどろおどろしい陰惨な場面も少なくないのですが、美形の容貌や身体の表現、衣裳や背景も美しく華麗で楽しめます。
気になったのが、僧侶の笠の大きさが場面ごとにまちまちなこと。肩幅くらいあるはずなのに、ときどき農民の笠みたいに小さく描かれていて違和感。ストーリーの大勢には影響ないですけどね。
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