悲しみに浸ってもどうにもならないのなら、せめて明るく楽しくあろうとする千世。千世の境遇を知り、逃げもしないが救うこともできず ただ傍にいることを決めた仇野さん。二人の距離が少しずつ近づき それに伴い変化していく仇野さんの心情は凄くリアルなも
ので、また時にハッとして心惹かれるものでした。
劣悪な環境からヒロインを颯爽と助け出すヒーロー。その後何事もなく二人仲良く幸せにっていうお話はよくありますが、本格的なその筋の しかもあれだけの執着を見せる義父。逃げる逃げないのやり取りが何度かありますが、簡単な話じゃないとわかるだけに複雑な気持ちでした。
さて結末については確かに私も次巻を探しました笑。でもこれまで丁寧に描かれてきた流れもあるし、いきなりすこぶるハッピーなものを見せられてもすぐには切り替えられない。時間をかけたところで義父が良い人になるのも違う。
例えば いつか仇野さんと千世が心も体も結ばれると想像するのはとても素敵だけど、実際にそんな描写があるとすればどうだろう?そんな二人が心を通わせるからこその作品だったはずで、よくある話に成り下がったと感じてしまうかもしれない。考える余白のある結末がこの作品にはあっているのかなと思いました。
覚悟を決めた二人。でもどうか何事もなくずっと幸せでいてほしい…
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