1〜6話23、7話27、8話31ページ。広告などを抜かした本編は全部で約150ページ。
ユキチにとってもジュンにとってもこの世は地獄。二人がなぜあんな目に遭わなければならなかったのか、そこには何の理由も無い。壊され続けて何を恨めば良いのか
もわからないような人生、ああやって笑っているしかないのがやるせない。
辛辣な台詞回しが面白かったです。恋愛面ではウブで可愛いと言ってもいい、きっと一生オトナにならない二人だと思います。子供の純粋さと残酷さのまま、行けるところまで行けたなら、それが二人の幸せなんじゃないでしょうか。
この作品の何が良いかって、どこまでも地獄の中で、「美しい救済」がないことですね。復讐は何も生まないって言い出さないのが最高です。復讐は何も生まないかもしれないけれど、それでも復讐でしか手に入れられないものってあると思うんですよ(白雪姫の王妃には、焼けた鉄の靴を履いて死ぬまで踊ってもらいたい派)。がんばってやり遂げていただきたい。
また、特筆したいのが、7巻の10ページ。数ページ前からの流れにこの場面、うるっと来たし、一気に作者さんへの信用度が上がりました。同巻19ページの透明感ある切なさも素晴らしい。
ただひとつ、分冊版しかないのが残念です。
まとまるかあやしいので我慢できずに買っちゃいましたが、人物相関図がちょっと入り組んでいてかつ明快な描写にはなっていない(読めばちゃんとわかるんだけど)ので、戻って確かめたい時に面倒でした。描き下ろし付きで単行本にしてくれたらすごく嬉しいけど、この際贅沢は言わずに合本版でもいいので!
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