冒険者パーティー『紅蓮の牙』の一員であるロッテは、薬師として長くメンバーたちを支えてきたが……。 「もう限界だ、高すぎるんだよ……君の薬は」 「四六時中、すりこぎをゴリゴリ、ゴリゴリ……いい加減にしろ」 「あ、貴方たちがいつも無茶ばかりするから、頑張って作ってるんでしょうが!」 。コスパの悪い薬師の替わりに、回復魔法のエキスパートである聖女を仲間にすると言われ、彼女はパーティを追放されてしまう。 一緒についてきた魔剣士の青年と共に、心機一転、新しい街へ向かうことを決意。 幸か不幸か、最前線の中で培われた膨大な経験と技術は無駄ではなかった。 徐々にその腕は街の住人にも認められ、果ては王族直々に専属医として誘いを受ける程の薬師となる…。遅咲きながらもロッテは今、大きく世界へと羽ばたく。