80年代末の週刊少年ジャンプに掲載されていた作品。まず読むと目につくのが、80年代独特のノリに溢れたギャグ。幾ら子供向けとは言え、この令和の時代に見ると面白くなくて結構キツく、人によっては読むのを止めてしまうかもしれない。ただその熱量がもの
凄く、平均すると1ページに1ギャグがあるではないかというくらいの量が次から次へと繰り出され、その点においては作者の魂を感じることができる。
肝心のストーリーの方であるが、
登場人物が全員昔話の主人公などが元ネタになっており、最後までブレずにその軸を守っている。
多少例外もあるがバトルの基本はプロレスであり、これも大きく逸脱することはない。必殺技もプロレスに則った物が多く、その描写には作者のプロレス愛が感じられる。
ストーリーや登場人物の心理展開はお約束展開ながらも自然かつ納得感のある展開で、読んでいて感情移入しやすい。
そして何よりジャンプの「友情努力勝利」が存分に詰め込まれ、バトル中の熱さとバトル後の爽快感が何とも言えず心地いい。
と、ジャンプの良さを体現したようなクオリティである。
ギャグはつまらないが、じゃあ無くしたとしてもそれはそれでつまらなくなってしまうという、稀有な作品だと思った。
もっとみる▼