サークル名は現在は「三原順ファンPARTY」或いは「ひつじ座」だそうだ。
次作は同人誌活動とコミケ、ではどうだろう?
前著「薔薇はシュラバで生まれるー70年代少女漫画アシスタント奮闘記ー」が楽しくて、続刊を知り興味引かれた次第。いず
れもシーモア島でのご紹介。ペンネームの紹介もクスリと笑えて先生のキャラに好感、購入を決意。
吉田秋生先生の臨時アシスタントもされたとある。うわぉ、と思った。あとがきでは、前作に出してない先生のお手伝いもされたとか。エピ無しではあったが。
諸先生方の恋バナは、直接聞いてる話もあるがここには描けない、と。その姿勢がきっと本書を読んでいても、さらりとしたちょうどいい柔らかさで仕上がった感じになって、却って良かったように思う。一周回ってご当人笹生先生のお話に行くということに、照れはおありかとはお察しするが、開き直ってキュンを誘う美しい恋愛ドラマに仕立てても、長いキャリアの漫画家として構わなかったのでは?という気も。
里中先生の言葉にも、へぇ、と。
先生がアシスタントの傍ら描き進めていた執筆活動を巡るいろいろは、恐らくは、あちこちのアシスタントご経験の方々も沢山あったんだろうなと想像、いい編集者と出会うことがどれほど重要か、と改めて深く理解した。
「おたく」という言葉は、本書で触れている通り、確かに70年代は性別を限定しない第二人称、「君」と「あなた」と、そしてプラス親密にはまだ心理的距離感のある「(目の前の)相手」に使用していた。コミケでもきっと同じ。けれど、コミケで同人誌活動する彼らが変人扱いされてた時代に、頻繁に使われたことを半ばからかっていつしか、漫画やアニメ好きを総称するように。あの流れは冷ややかな視線も含まれていたが、オタクが、今や当時の空気も更に超えて特定分野のエキスパートとしてのこだわりを持つ性格を示す、単なる1表現に落ち着いてきたこと、笹生先生の作品と脚注から思い出されて時代変遷を噛み締めた。
テレパシー・ラブ 1978年36頁
暗闇でこんにちは1979年26頁
ぶらんこの季節 1980年32頁
桜はまだか 1985年32頁
4作品も収録で全164頁。私は花とゆめ本誌で78年作品を読んだことを、覚えていた。今回再会出来て、細かに記憶していた自分にも驚いたし、ここで懐かしい再読は本当に予想外で嬉しかった。収録された過去作品中では出色の作品と感じる。正直、星数は迷った。。
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