「あなたには、自由に死ぬ権利があります。」
――「終末期における自由意志の尊重に関する法律」・通称「希望死法」が成立した近未来。
制度を利用し、自ら死を選ぶことにした実祈(みのり)は、希望死を請け負う特別公益福祉法人・オーエフエフにコンタクトを取った。
誰にも知らせず、何も遺さず、できるだけ早く――。
そう望んでいた実祈だったが、底抜けに明るいオーエフエフの担当職員・御堂(みどう)との交流の中で、少しずつ何かが変わっていき…。
「何のために生きていくんだろう?」
「長く生きることに何の意味があるんだろう?」
現代社会が抱える問いへの、優しくしなやかなひとつの答えを描く、心揺さぶるヒューマンドラマ。