仮面が半分に割れ、この世のものとは思えない彫刻のような顔が現れた。触るとおしろいがにじみ出るような白い肌、すっきりと伸びた鼻、形のいい唇まで。 職人が削ったように精巧な目鼻立ちは歳月を忘れたようだった。 一時、三段のように黒かった髪は、あの北方の雪山のように白くなった。 依然として美しかったが、大気中にバラバラになりそうな危なさが加わった。仮面がはがれてゆっくり瞬くまつげの下に現れた目は黒玉を埋め込んだように高雅で玲瓏な光を帯び、限りなく芸術品に近い外観だった。しかし、賛嘆してやまない美男子を前に、ゼイ康吾の表情は徐々に崩れ落ちた。あの顔が見分けられないはずがなかった。 「あなただったのですか…?」黒天主の末弟子が敬愛し、恋慕してやまない男。行方不明になったと思われていた白羅宮主がそこにいた。今までずっと、あなたでしたか。