そこに点をもうひとつ加えると絵になる、そういうものにグッとくる。なんて事が作者コメントに書かれていたことを覚えています。10年前ぐらいに紙の本で読んでから私の根っこにずーっとある作品ですが、紙本の所在がわからなくなり(泣)購入。聖典です。
「恋愛はキレイな気持ちだけではない」ということをすっきりした画風で伝えてくれるのでドロドロした印象は無く読みやすい。幼馴染という近さだからこそのがんじ絡めになったままならなさ、康平くんが新風として入ってくるけどもそこに描かれる執着、マイノリティとしての(初出2008年だしね)葛藤が過去をなぞらえて描かれているところに人生を見るなど。本気で好きになったなら、なりふり構っていられない時もある。これもまた人生だなぁと。3人の人間関係と恋愛がうまく絡められたストーリーだと思います。したたかな様で不器用で一途で、愛されたがるミキがとてもチャーミングだと思っているのでずーっと好きなキャラです。初めてミキが康平くんにメール送った時のあのセリフは一生忘れない。あんなセリフを商業BLで聞くなんて、と当時は本当に衝撃的だったもんだ。
描き下ろしのラストシーンも本当に本当に爽やかで素敵。読みやすい中にも色んな深い感情が込められている、名作だと思います。
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