と、思わず心の俳句を詠んでしまう1冊。
いやでも内容は良かったんですよ。
173ページ。
全4話なんですが、表紙の執事姿が見られるのは4話目のみ。
1〜3話は執事になる前日譚に当たります。主人公の七騎と、教育施設で仲間だった帯刀
の、歪まされてしまった友情が悲しい。
作中の時系列順並びで収録されていますが、発表順は4話が先のようです(初出の記載が無いため正確には不明)。
4話は、薄荷公路邸にメイドとしてやってきた少女の話。謎めいた屋敷での日々、自分のこれまでを肯定してこの先を変えていこうと決める強さ。
全編通して、人を人たらしめる「誇り」は美しい、そんな話でした。
設定は荒唐無稽。坊っちゃんは宝石だし、立て続けに天変地異が起こった後だし(その割には色々残ってる)、孤児を集めた施設は異様に殺伐としてるし、なんかすごいです。お祖父様はどうやって生活してるの、とかも……。
それでも、美しい何かを求める物語というものに魅力を感じる性質には、面白かったです。
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