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投稿者:シーモア島システム
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投稿者: romance2
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出会った、とはいえないのですが、「ベ ルサイユのばら」。
友人が勧める勢いに乗らされて読んだため、出会わされた、ともいうべき発端です。しかも最初に勧めてきた友人のときには動いておらず、のちのち、「貸すから一度読んでみて」、という友人が現れるまで、評判くらいは知っていたのに、自分からは、読もうとはなっておらず。
時には他のひとのお勧めというものに誘われてみるもんですよ。
自分で見出だした喜びっていうのとは別に、
出会えて良かった(出会わせてもらって良かった)、
という本です。
歴史は勝者の観点で正義感が語られることが多いですが、どこから見るかで景色が全く異なることを体感しました。フランスの国家財政にとって犯罪人扱いの悲劇の王妃も、一人の女として、と見つめると見つめかたが変わってくる。一言で、フェルゼン伯とは不倫だからダメ、と言い切っていいのか、とか。民衆は自由を求めた、でも貴族王族に婚姻の自由はなかった(現代日本にもちょっと被る現象ですよね)。話逸れますけど彼女の息子の受けた仕打ちは、為政者サイドの末路としては正当化されるのかどうか。王子である前に一人の男の子、なのに。
男装女性の設定はボーダーを取り払います。男女で全く生きる道が混じり合わない、選ぶことができない生き方を、渡れないはずの対岸から見た景色はどうだったか。その横で、市民階級と貴族社会との間に身分格差、宮廷社会の中でのルール、統治のほころびや権力を巡る争い事の混乱から生ずる荒ぶる社会。もうこの本との出会いがなかったら、歴史観とはかくも主観的なものとは知らなかった。気づけなかった。