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漫画(まんが) ・電子書籍のコミックシーモアTOP > 特集一覧 > 【発表】オカルト恐怖体験2016
ペット
これは、お隣のペットのワンちゃんのお話です。



2年前の春、3年8ヶ月の闘病の末、私の母は逝きました。


その母が生前、とても可愛がっていましたのが、お隣のワンちゃんでした。


ワンちゃんが仔犬の頃から、全員勤めに出て留守なお隣家族の代わりに面倒を見、躾を行い、散歩に連れ歩き、『●●さん(母の名前)の思い出って言ったら、ウチの犬といる光景ばかりだわ。ウチの犬は●●さんにしつけてもらったようなもん』と、お隣さんに笑われるほど、母とそのワンちゃんには、妙な絆がありました。


その甲斐あって(?)、ワンちゃんは、中型犬ながら『近隣最強の番犬』と謳われる強い警戒心と、お隣家族と私の母に対する凄まじいばかりの忠誠心を持ちました。


その母の葬儀の朝、家から出棺する際、ワンちゃんが家族に連れられて、一緒に見送ってくれました。


親戚一同が外に集まり、ゆっくりと母の棺が運ばれて行く中、『これだけあの子(ワンちゃんの事)の知らない人間がいっぱいいるし、あの警戒心の強い子だもの、もしかしたら物凄く吠えるかもしれない』と心配しました。


しかしワンちゃんは吠えるどころか、見た事の無いような神妙な面持ちで、静かに棺を目で追っていました。



『ああ…この子にはわかるんだ…これがウチのお母さんとのお別れだって事が…』



そう感じて、泣けて仕方ありませんでした。



それからあっという間に初盆を迎え、お線香をあげに来てくれたお隣の奥さんが、こう話し始めました。


『5月の終わりから最近まで、ウチの犬、ある時間が来ると、立ち上がって外に向かって、何かにしっぽ振ってたんだよね』と…


彼女曰く、夜、ある一定の時間帯、庭が見渡せる辺りにワンちゃんが来て(彼は室内犬)、その庭に向かって、嬉し気にしっぽをパタパタ振っていたそうです。もちろん夜ですから、庭には誰もいません。


それは、母の亡くなった日から、四十九日の間まで続いたそうです。


『きっと貴女のお母さんが会いに来てたのかもね…』


お隣の奥さんは涙ぐみながら言っていました。




あれから2年、老いてなお『最強の番犬』をほしいままにするお隣のワンちゃんを撫でるたび、『母ちゃんってば、何で私の所じゃなく、アンタの所に行ったのかね?』と愚痴ります。

そんな私に、そのつぶらな黒い瞳を向けて、ワンちゃんはこんな事を言いたげな顔をします。


『う?ん…ワシにはわからん。それよりホレ、もっとワシを撫でろ』

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