あれは私が5歳の夏でした。
その日は母と2人で家にいて、
母は台所で食器を片付け、
私はこたつの前に座ってお絵描きをしていました。
ふと、テーブルの上に置いてあるタバコとライターが
目につきました。
その途端、私の意を反しライターを手に持ち、
寝室に移動、その間、私は必死に
『お母さん??』と叫んでいるのですが声が出ません、
寝室にライターを持ち込み、ついにはクリーニングの袋に引火。
天井まで燃えるまで動く事が出来ませんでした、。
やっと動ける様になってからすぐ母の元へ走り
『お母さん火事??』
バケツで消そうとしますが木造の平屋の為、あっという間に燃え広がり、
結局全焼。
急遽学校から返された兄弟と共に呆然と家を見つめる母、
私は真実を伝える為、母に告げました。
『どんなに叫んでもどんなに嫌だと思っても身体がゆう事聞かなくて火を着けちゃった。ごめんなさい』
母は理解をしてくれました。
後から聞いたのですが、家が焼ける数日前に
姉が大事に大事にしていたリカちゃん人形を焚き火の際に
投げ入れて焼き捨てたそうです。
それと関係があるのかどうかは分かりませんが、
とても恐ろしくて、
人形を簡単には買えなくなりました。