これは私がまだ高校生だった、25年以上前のお話です。
当時はまだ携帯電話ではなく、ポケットベル(ポケベル)の時代でした。
電話から数字を合わせて文字を打ち込み、ポケベルに送ります。
ある日の午後、私のポケベルに知らない相手からメッセージが送られてきました。
「キョウアイタイ トモコ」
私は知らない人からなので、無視しました。
よくある事ではあったので、そのうち気付くだろう、と。
1時間後、「ナンジニオワル? トモコ」
2時間後、「ヘンジチョウダイ トモコ」
そんな感じのが、1時間おきくらいに送られてきました。
なかなか気付かない相手に「気付けよ…」と面倒くさいので無視し、家に帰り、夕飯を食べ友達と電話で長話をし、お風呂に入ってしまったのでそのまま放置し忘れていました。
お風呂から上がり、「そうだ!さっきポケベルの人どうしたかな?」と、ふと思い出し、確認すると…
「ナンジニイエニイル? トモコ」
「ナンデヘンジクレナイノ? トモコ」
「イマムカッテル トモコ」
「ヘンジチョウダイ トモコ」
「エキニツイタ トモコ」
「モウスグツク トモコ」
………
♪♪♪♪♪
「!!!」ポケベルが鳴り、恐る恐る見ると
「イマイエノマエニイル トモコ」
恐くてドアは開けられませんでした……