みなさんは金縛りにあったことありますか？私はかなりの回数経験して、金縛りのエキスパートかな？って思ってしまうくらいです。
これは一番恐ろしかった、小学生のころ初めて金縛り体験したときの話です。
学校が休みでベッドに横になっていた私は、ウトウトし寝てしまいました。
なんのことはないただの昼寝。そのつもりでした。
ふと目が覚めました。いや、覚めていない？夢なのか起きているのかわからない、こんな感覚は初めてです。目はあいていて、見知った部屋の天井も見えます。
しかし。起きようにも体が全く動かない。指一本動かせない。
唯一動く目玉をギョロギョロまわして状況を把握しようとします。
すると、視界の端、足元にヒヤッとした感覚が。何かがズルリ、ズルッ…と這い上がってくるのです。
人？おそらく人なんです、白装束を着た人らしきもの。顔は俯いて見えない。
ゆっくりと、でも確実に私の体に覆いかぶさってきます。
やだ、助けて！と叫ぶのですが声が出ない。そして…。
そこで意識が途切れてしまいました。恐怖心が限界に達したのでしょう。
本当に目が覚めて体が動くとわかると、ベッドから落ちるように抜け出して走って兄がいた部屋に飛びみました。両親は留守、そのときいた兄は私があまりにも必死の形相で部屋に転がり込んできたので驚いていました。
金縛りは一説には就寝中に疲れが緊張となってあらわれ、体が強張ってしまうために起きるといわれます。
しかし、この後の人生で何度か金縛りにあうことなる私がですが、''人らしきもの”が這い上がってきたのはこの一回だけです。
…今でも覚えています。
骨張った冷たい手で、足首をしっかりとつかまれたあの、感触を。