あれはまだ高校生の時でした。
夏休みということもあり、アルバイトに朝から晩まで励んでいました。
ある日の晩、アルバイト先で先輩や店長と怪談話で盛り上がってみんなで肝試しに行こうということになりました。
その日の晩に出発となり、県内でも有名な心霊スポットに着きました。
こういう心霊スポットに来るのは初めてでドキドキと恐怖を感じながら、車をおりたその時、耳鳴りがし始め軽い頭痛を覚えました。
その瞬間ヤバいと感じ、帰りたいと訴えても聞いてもらえず…
先輩にはなだめられ、店長には鼻で笑われ、ついてこないなら置いて行くと…
1人残されるのも嫌なのでついていくことにしました。
この心霊スポットはホテルで今も物が取り残され荒らされていました。
先輩にしがみつき、ひたすら下を向き恐怖に耐えていました。
しばらくして、先輩の足が止まり、
「やっぱりこいつ連れて車に戻ります」と店長に告げ足早に車に戻り始めました。
店長は中でまだ写真を撮るといい、奥へ進んで行きました。
車に戻った後、先輩を見ると青ざめていました。
「お前あれ見たから行きたくないって言ったの？」
「何のことだか分からないんですけど…」
「ならいい。忘れてくれ」
先輩は訳を話してくれませんでした。
その後、店長が戻りようやく帰宅。
時間は夜中の3時頃でした。
布団に入りうとうとしていた頃、突然MDコンポからノイズのようなものが流れてきました。
このMDコンポは古く、壊れている部分もあったので、とうとうガタがきたかとその時は電源を切ってすぐにまた布団に戻りました。
朝起きてゾッとしました。
MDコンポのコンセントは初めから刺さっていなかったのです。
なぜ電源が入ったのか不明で、あまりの怖さに先輩にすぐに相談しました。
するとある寺へ来いと言われ、、すぐさま向かいました。
そこの住職は霊感の強い方で見えるらしく、私を見てすぐさまお祓いをしてくれました。
先輩もお祓いを受けたらしく、話を聞くと、先輩はホテルの奥の方で女の人を見たそうです。とても怒っているような顔で近づいてはいけないと本能的に感じ、私を連れて車に戻ったらしいです。
住職は、私の背後に何体かいたらしく、すぐに気づいてお祓いをしてくれたそうです。家にも来てくれ、お祓いをしてくれました。その後こっぴどく叱られましたけど笑
住職は、私たちに一番心配なのは店長なので、すぐ連絡を取って連れて来るようにと言いました。
先輩と店長に連絡しましたが、電話に出ません。店長の家を訪ねると、昨晩帰って来て、車を置いたまままたどこかに出かけたというのです。
その日店が営業時間になっても、店長は来ませんでした。

あの日から店長は見つかっていません。