マンガ多すぎ!業界最大級!!
無料会員登録で、新規登録クーポンプレゼント中!!
漫画(まんが) ・電子書籍のコミックシーモアTOP > 特集一覧 > オカルト恐怖体験2018【発表】
化かされる
これは、一昨年亡くなった大好きだった祖母から聞いた話です。

89歳で亡くなった祖母が若い頃の話。
祖母は昔、いわゆる丁稚奉公としてよそのお宅で働いていました。
そんなある日、木箱に入れた魚を山ひとつ越えた目的地に運ぶおつかいを頼まれました。

おつかいは、木箱を後ろの荷台に乗せた自転車で行くしかなかったそうで。
自転車で山ひとつ超えるなんてそれだけでゾッとします。
日中に出発し、暗くなる前に戻る予定で出発しました。
懸命にペダルを漕ぎ、山道を行く。
するとそれまでよい天気だったのに、急に霧が立ち込めてきました。
霧は段々と濃くなり、数メートル先の視界もなかなか見えないほどに。
(山の天気は変わりやすいというけど、こんなに急に?)
と祖母はなにか恐ろしいものを感じたそうです。
(とにかく早く目的地に着かなくては)
と、黙々と自転車を漕いでいるうちにおつかい先へ到着しました。
自転車をとめて、荷台から木箱を動かした瞬間のことです。
「あれ?木箱が軽い・・・」
木箱を開けてみると、中に入っていた魚の数が明らかに減っていたのです。
祖母はすぐにわかったそうです。
(狐に化かされた・・・)
あの深い霧は狐が見せたもの、恐怖を煽ってまんまと魚を奪われた!と、祖母は怖さと悔しさで歯がゆい気持ちになったそうです。

今よりも、人と獣が共存して生きていた時代のお話。
私は祖母が亡くなった今も、この昔話を信じて疑いません。
ちなみに、また同じ山道を通り帰路に着いたけど、今度は霧も何も出なかったそうです。

盗られるような荷物がなかったからだね、と祖母はニヤッと笑い、おしまいおしまい!としめくくりました。

お得情報をGET!登録してね

▲ページTOPへ