あたしの名前を、赤音だけに呼ばせてあげる──。中学二年生の春、春来はそんな特別な権利をあたしに贈ることで、友情を誓ってくれた。彼女さえいてくれればよかった。まさか、その幸せが壊れる日が来るなんて……。学校の中心的存在・舞によって、春来との仲を引き裂かれた赤音。心を閉ざし、孤独な日々を送るように見えた赤音だが、彼女には秘密があった! それに気づいた舞は、赤音に対して文化祭である計画を実行するが……。少女たちの愛憎と友情が行き着いた、驚愕の結末とは。思春期の痛みと成長を繊細な筆致で描く、傑作ミステリ。