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1995年3月、地下鉄サリン事件後の不測事態に陸上自衛隊はどう対処しようとしていたか――から始まる迫真のノンフィクション。カルト教団の上空からの毒ガス散布に備え攻撃ヘリに実弾を持たせて待機させ、連隊長は「部下を殺さないでくれ」と懇願。治安出動は命令されるのか。そして元陸幕長の独白は過去にさかのぼっていく。自決3年前の三島由紀夫との邂逅、治安出動「教範」廃棄事案、警察庁との対テロ極秘会議など。これまで知られていなかった自衛隊幹部の苦悩が次々と明らかにされていく。 筆者は防大卒の毎日新聞社会部編集委員。「宮崎勤精神鑑定書」(講談社)などの事件関係ノンフィクションをてがけてきたが、自衛隊関連では 「自衛隊指揮官」(講談社)、「自衛隊と東日本大震災」(ポプラ社)などがある。今回はさらに、幹部の内面まで描こうと試みた。2014年は自衛隊創設60年の節目の年にあたり、連載のストーリーはたんに特異事案を発掘するだけではなく、自衛隊の来歴や自衛官の意識にまで迫る。それは<日本人とミリタリー>という重いテーマを考えるテキストにもなっている。 同年4月8日から5月23日まで毎日新聞朝刊に連載されたが、折りしも日本の安保政策の大転換となる安倍政権の集団的自衛権論議が始まった。筆者による同論議を視野に入れた「あとがき」や7月1日の閣議決定翌日紙面に掲載された署名記事も添付した。
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