間違いなく名著だと思いました。「般若心経」それ自体も、この解説書「100分de名著 般若心経」もです。
般若心経は極めて身近なものですが、この本を読む前は、その意味を深く考えたことは殆どありませんでした。「色即是空 空即是色」が現代物
理学にも通じる、とかの生半可なオハナシで満足していた時期が恥ずかしいかぎりです。
本書では、般若心経が「奇跡」を肯定することで、原始仏教を「ある意味で一旦は否定」するステップを踏んだ上で、最終的には全体として釈尊の教えを肯定するという、この古典が成立した経緯と仏教全体のなかでの位置づけが分かりやすく解説されています。
仏教がもつ多様性についても理解が深まったように思います。
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