東京藝術大学の前身「東京音楽学校」を卒業後、作曲家の山田耕筰に弟子入りし、声楽家としてラジオや公演で活躍。旧家として名高い灘の造り酒屋へ嫁いでから、音楽から遠ざかっていたが、ひとり息子の急死を期に指導者として音楽活動を再開。 相愛大学、大阪樟蔭女子大学、大阪芸大などで79歳まで教鞭をとり、その後も自宅に生徒さんを迎えてレッスンを行っている。「まだまだもっと歌いたい、見たい、聞きたい、歩きたい。私は“たいたいお婆さん”なんです」というように、好奇心旺盛で多忙な毎日。106歳でNHK「きわめびと」に出演した際、なんと体内年齢は31歳と測定された。NHK大阪での初中継出演や山田耕筰、北原白秋らとの交流など華やかな過去を振り返りつつ、現在の日常生活や独自のストレッチ、歌に対する思いなどを綴る。つらい経験をしながらも、「いまは毎日が感謝の日々です」と107歳まで現役で活躍する姿は、憧れる年の重ね方のヒントになるはず。