このレビューはネタバレを含みます▼
主人公が小さいころに体験した、トロッコと坂道を介してのまるで冒険のような出来事を回想している内容です。作品に登場している「トロッコ」という言葉自体が今の世の中ではほとんど使われなくなっていますが、昔の土木作業などでは独特の音を出して物を運搬する道具だったとのこと。それを踏まえると、まだ小さい自分の身体に大きく迫るような勢いのトロッコの動きや、時間が経って暗くなった周囲の様子など、幼い子供にとっては圧倒されるような情景をスリリングに描いている特徴が印象的です。結局彼は最後に家に帰って泣いているのですが、人はこうしてだんだん大人になってゆくのかな、とも感じました。