姥捨山のその奥に老人達の桃源郷があった。
時は幕末、陸奥国の八戸藩と南部藩に挟まれた二万石の小さな国、外館藩西根通大平村が舞台。大平村には、60才になると全ての役割を解かれ、御山参りをする習わしがあった。御山参りと言えば聞こえはいいが、それは大平村へ戻れない片道の旅。食い扶持を減らす為の村の掟であったのだ。
ある日、代官所は、そんな大平村が、飢饉の年でも年貢をきちんと納めることを怪しく思う。姥捨山に老人を捨てているからだという噂もあるが、それでも老人を減らすだけで、重い年貢を納めることができるものかといぶかしむ。そこで代官所がたどり着いた答えは、「大平村は隠田を開墾しているのではないか」という疑惑だった。隠田を持っていることは、死罪にあたる時代、果たして真相やいかに・・・?代官と農民の知恵比べ。幕末老人痛快エンタテインメント!