★ 調べ学習に役立つ!
★ 写真や図解でやさしく解説。
* ふしぎな体の形にはどういう意味があるの
* 体の色が異なるのはなぜだろう
* どんなところに生息しているの
* 単細胞生物と多細胞生物の違いとは
・・・など
◆◇◆ 本書について ◆◇◆
みなさんは、“プランクトン”というと
「水中の微小な生物」と思うかもしれません。
正しくは「水中に浮遊している生物」のことです。
大きさに関係はありません。
自力ではあまり大きくは
移動できない生物のことなので、
大きなクラゲも“プランクトン”の一つです。
1mくらいの大きさでも“プランクトン”
なのです(メガプランクトンと呼びます)。
小さい方は、細胞1個の小さな生物となります。
小さい方に向かってマクロプランクトン、
ナノプランクトン、ピコプランクトンという
言葉が使われます。
「ナノプランクトン」というので、
ナノメートル(nm)サイズと思いきや、
0.02~0.002mmすなわち、20~2μm程度の
生物(細胞)が「ナノプランクトン」です。
この本では、わかりやすいように
ミリメートル(mm)で表記しています。
微小な細胞も鞭毛や繊毛を持つものがあるし、
多細胞のオキアミだって一生懸命に泳いでいます。
「浮遊」するといっても、
人の目で見ていて、大きく移動することは
ないような生物群のことです。
光合成をする「植物プランクトン」
(珪藻、鞭毛藻などの浮遊性微細藻類や
シアノバクテリア)や、「原生動物」、
「多細胞生物」であるクラゲや
甲殻類(ミジンコやオキアミなど)、
さらに大型水生動物の幼生(魚の稚仔魚など)
などの「動物プランクトン」です。
浮遊性の「海洋細菌」なども含まれます。
このように“プランクトン“という言葉には、
水界生態系の世界が見えてきます。
それに対し、泳ぐ魚を「ネクトン」。
水底に沈んで生活する生物を「ベントス」といい、
この本では、ベントスも紹介しています。
ふだんはあまり見ることができないプランクトンの世界を、
この本が子どもたちとプランクトンの出合いに
役立つきっかけになれば何よりです。