同じ女流作家の藍川京氏が解説をお務めということで、蒼井凛花氏の「愛欲の翼」にレビューを投稿したのが一昨年の10月。今般たまたま同じ著者による本書が地元の図書館にあったので閲読。
本作はキャビンアテンダントの独白を皮切りに、女性たちが次々に
リレー形式でみずからの赤裸々な性体験を披露していくという構成。持ち味である若々しくみずみずしい文体は、著者自身の端麗な容姿、および元CAという華やかな経歴と相まって、多くの読者を魅了することだろう。各々のエピソードの内容はネタばれ回避のため詳述しないが、正直言って現実味に乏しい。但しそのことを、航空機や客室常務にかかわる専門知識を駆使してリアリティを持たせることで補っている。
なお惜しむらくはプレイ内容が、それぞれシチュエーションこそ変えているが、どこか画一的で単調に感じられ、また上述の通り虚構然としすぎていて、現実世界の住人が感情移入しにくいところか。
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