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無印良品、ファミリーマート、パルコ、西武百貨店、西友、ロフト、そして外食チェーンの吉野家――。いずれも日々の生活でなじみのある企業であり、知名度の高いブランドだ。これらの企業が、かつて同じグループに属していたことを、知らない世代が増えている。これらはいずれも、堤清二という男が一代でつくり上げた「セゾングループ」という企業集団を構成していた。小売業にとどまらず、クレジットカードや生命保険、損害保険などの金融業、ホテルやレジャー、食品メーカーまで、多様な事業を展開してきた。2000年代、セゾングループは解体された。だがそれぞれの企業を見れば、堤が育てたセゾングループの価値がより鮮明に分かるはずだ。現代の消費市場をリードするのは、米アマゾン・ドット・コムに代表されるIT企業だ。インターネット通販やスマートフォンが爆発的に普及したことで、消費スタイルも根底から変わりつつある。ものを所有しないシェア消費や個人間売買など、新たな流れが広がっている。大きな変化が起こっているのは確かだが、人々の生活意識や買い物のスタイルがこれからどう変わっていくのかについては、企業も消費者も視界が晴れない。そんな中で、堤とセゾングループがかつて持っていた特有のエネルギーを検証することは、未来の消費の行方を知る大きなヒントとなるはずだ。新たな価値を生み出す発想力や、現状を否定してイノベーションを起こす柔軟性――。閉塞感が漂う現代だからこそ、セゾングループのかつての哲学を掘り起こし、分析することに大きな意味がある。
9784822256050
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