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この二〇年の間に私は、憲法訴訟の理論ないし技術の原則や人権の違憲審査基準等の問題について、ァメリカ憲法の理論や判例の分析を中心としたり、わが国の憲法判例のコメントを通じたりして、いくつか論文を書き、その主要なものを『憲法訴訟の理論』、『現代人権論』、『憲法訴訟の現代的展開』という三著に収めて公刊した。しかしこのほかに、論文集という形にまとめられていない小論の類いが、かなりの数にのぼっている。その中には、今までの著作に収めた論文でそれほど立ち入って論じたことのないものや、ごく最近印刷になったものもある。そこで、そのうち憲法訴訟と人権に関係するもので、講演という形式で発表され、活字として残っているものの若干を、請われるままにここに集めてみることにした。それが本書である。(「はしがき」より)
目次(詳細目次略)
はしがき
I 憲法訴訟における司法消極主義
一 問題の所在/ニ アメリカにおける司法消極主義の沿革/三 「明白の原則」の問題点/四 合憲性の推定と事実の司法審査/五 「明白の原則」の適用領域/六 州際通商規制の厳格審査とその意義/七 結――憲法訴訟のあり方
Ⅱ 報道の自由と裁判所
一 まえおき/二 事件・判決の概要/三 報道の自由と性格と役割 四 言論・報道の自由に関する判例の特徴 五 言論・報道の自由の限界 六 むすび
Ⅲ 人権の司法的救済/まえおき
一 裁判的保障の類型 二 合憲性判定基準のルール化の必要性 三 「二重の基準」について四 新しい問題点
Ⅳ 司法の積極主義と消極主義/まえおき
一 積極主義と消極主義の相違/二 積極主義と消極主義の原型/三 オールド・アクティビズムの機能と消極主義の意義/四 二ュー・アクティビズムの特色/五 パーガー・コートの消極主義の意味と日本の憲法訴訟
Ⅴ 現代社会と人権の理論/はじめに
一 現代人権論の課題/二 社会の変化と新しい人権理論/三 新しい人権理論をめぐる問題点/むすび
Ⅵ 合意性判定基準をめぐる今日的問題点
一 判例の問題点/二 合憲性判定基準の枠組み/三 表現の自由と合憲性判定基準
Ⅶ 憲法訴訟小論/1 憲法判例の学び方/2 違憲立法審査権の性格/3 法令の合憲解釈/4 憲法判断の回避/5 違憲判断の方法/6 憲法訴訟と立法事実