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「国民よ、体操せよ」――1930年代、野球人気や民間のスポーツ熱、オリンピックへの熱狂が起こる一方で、国民全体への体育の必要性が議論され、娯楽・健康・鍛錬などさまざまな目的で集団体操が考案された。ラジオ体操を筆頭として、建国体操、日本産業体操、大日本国民体操、国鉄体操などが、全国の学校・工場・地域で実践されたのである。その後、東京オリンピックの中止、紀元二千六百年の各種イベントに呼応して体操をめぐる議論も活発化し、アジア・太平洋戦争に突入して以降、敗戦までは国民錬成・体力向上の旗を掲げた国家の管理政策に体操は組み込まれていく。そして、「敵性スポーツ」への批判と反比例して、武道とともに体操は国民生活へと広がり、総力戦体制下の日本に根づいていった。戦中から敗戦までの体操の実態を膨大な史料を渉猟してあぶり出し、GHQによる体操の「戦争責任」追及や戦後の「復活」までをも見通す。「体操の時代」としての近代日本とナショナリズムを問う労作。
9784787220639
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